5000系 (60両)
 1986年〜1995年に製造された系列。3050系後期車からのアルミ車体は引き続いて採用され続けたが、3000系列からは車体イメージを一新しており、前面が大きく変わってスカートが付き、側面も窓幅が広くなっている。また、座席は、1970年の全車ロングシート化以来久々にクロスシートを採用し、扉間クロスシート(すべて海側2列+山側2列の配置)・車端部ロングシートのセミクロスシートとなっている。パンタグラフは下枠非交叉形。
 10年間で60両が製造された。すべての編成が4連以上に組成されており、6連を組成して阪神梅田に顔を見せる編成もある。

第1次車
1986年
21両(5000〜5013、5600〜5606)
 (↑)5002F(神戸方から5002-5003-5501-5601)/2002年10月/魚住
 (↓)5008F(神戸方から5008-5009-5504-5239-5254-5604)/2003年1月/中八木
 1986年に、最後まで残っていた釣掛車(270形・300形・2700形)計8編成26両の淘汰を目的に、3連×7編成の21両が一挙に製造された。座席はセミクロスで、クロスシートは固定式で集団離反型の配置となっている。
 現在5004F・5006F・5008F・5010F・5012Fは阪神線内の列車種別選別装置を取り付けられ、6連に組成されて阪神梅田に顔を出すようになっており、5000F・5002Fにも阪神線内の列車種別選別装置が取り付けられ、場合によっては阪神梅田に顔を出せるようになっているが、5000F・5004F・5006F・5008F・5010Fは5030系第2次車との組成で6連を組むようになっており、5002F・5012Fは5000系のみでの組成で6連を組むようになっている。
 なお、5000-5001-5600、5010-5011-5605は側面行先表示器がLED式に改造されている。

 制動方式は全車が電気指令式のHRDA-1、主電動機はM'c車に125kWのMB3020(歯車比82:15)を4基、制御装置はM車に1C8MでDC-DCコンバータを使用した回生制動付界磁添加励磁方式のKMC-301、パンタグラフはM車にPK-55を2基、コンプレッサーはM'c車とTc車に12kWのHB-20を1基(ただしTc車5602〜5605は5030系の挿入時にHB-20をHS20-1に換装)、補助電源はM'c車にAc120kVAのGTOインバータを1基とTc車にAc6kVAのMG-303を1基(ただしTc車5602〜5605は5030系の挿入時にCDA963に換装)、冷房装置は全車とも36000kcal/hのCU-71Sを1基、台車はM'c車とM車がKW-35B、Tc車はKW-36B。

 (↑)5000F(神戸方から5000-5001-5500-5600)/1988年6月/東二見〜本荘
 (↓)5000F(神戸方から5000-5001-5500-5600)/2004年5月/手柄
 5000F。上写真のように、当初窓枠は黒色に塗装されていなかったが、後に窓枠が黒色に塗装され、側面行先表示器もLED式に改造されている。(下写真)
※LED式の側面行先表示器では、幕式では表示されないような行先も表示できる。
 (↑)5006F(神戸方から5006-5007-5503-5237-5253-5603)/2002年5月/明石
 その編成が阪神大石以東に入線可能か否かの判断材料の1つであった、阪神線内の列車種別選別装置の有無を見分ける1例。下写真の5006Fでは、乗務員室扉下はしごの左横に小さな箱が見受けられるが、上写真の5000Fではそれが見受けられない。
 現在は5000系全編成に阪神線内の列車種別選別装置が設置されている。
 現在のシートモケット。固定クロスシートながら、転換クロスシートと同じものに変更されている。先頭車と中間車での色の違いはなくなった。
 2002年〜2005年に、第1次車・第2次車の固定クロスシート車の全車で変更工事が施工された。
 肘掛はそのまま残っている。
 座席背面。背面もモケットが変更されているが、モケットの張られていない部分が半分程度あるのは変更なし。
 車端部のロングシート。袖仕切はそのままだが、モケットは変更されている。優先座席部分は最近の新車と同様に緑色。
 当初のシートモケットの色は先頭車と中間車で微妙に異なり、先頭車は茶色系ベース、中間車は先頭車よりも赤みを増したような色だった。
 座席部と立席部の仕切はパイプ。
 固定クロスシートの座席背面。モケットの張られていない部分は半分程度。
 車端部のロングシート。3050系からは色が変わった程度で、形状に変化はないが、シートモケットの色はクロスシート部同様に先頭車と中間車で微妙に異なり、先頭車は茶色系ベース、中間車は先頭車よりも赤みを増したような色。

第2次車
1988〜1989年
13両(5014〜5019、5500〜5503、5607〜5609)
 (↑)5016F(神戸方から5016-5017-5608)/1990年8月/東二見車庫
 (↓)5016F(神戸方から5016-5017-5511-5210-5211-5608)/2003年1月/魚住
 1988年〜1989年に、第1次車の1部を4連化すべくT車4両が、さらに2000系の廃車の代替に3連×3編成が製造された。主電動機の一部は、3000系第3次車を3200系に改造した際に捻出したものを再び使用している。
 外観上は、スカートの切り欠きが海側に大きくなっていることが第1次車からの大きな変化である(写真上)。なお、この切り欠きは後の6連運転開始時に山側にも大きくなり、同時に貫通扉周りには幌枠が設置されている(写真下)。
 車内では、固定クロスシートの背面部分のモケットの切り込みが大きくなっており、5016-5017-5608と5018-5019-5609ではモケット色がそれまで中間車のみとなっていた赤みを増したような色に統一されている。なお、3連×3編成は全車が転換クロスシートに換装改造され、捻出された固定クロスシートは3050系第5次車の一部、第6次車、そして5000系第1次車の一部にも転用されている。
 なお、5500は側面行先表示器がLED式に改造されている。

 制動方式は全車が電気指令式のHRDA-1、主電動機はM'c車に125kWのMB3020(歯車比82:15)を4基、制御装置はM車に1C8MでDC-DCコンバータを使用した回生制動付界磁添加励磁方式のKMC-301、パンタグラフはM車にPK-55を2基、コンプレッサーはM'c車とTc車に12kWのHB-20を1基、補助電源はM'c車にAc120kVAのGTOインバータを1基とTc車にAc6kVAのMG-303を1基(ただしTc車5609には装備されていない)、冷房装置は全車とも36000kcal/hのCU-71Sを1基、台車はM'c車とM車がKW-35B(M'c車5018とM車5019はKW-93)、T車とTc車はKW-36B(ただしTc車5609はKW-94)。

 固定クロスシートの座席背面。モケットの張られていない部分が第1次車と比べてかなり広がっている。
 なお、一部車両の転換クロスシートへの換装に伴って、この固定クロスシートは捻出され、3050系クロスシート改造車や5000系第1次車の一部へと移り、固定クロスシートで残った車両についても、2002年〜2005年にかけて、モケットが転換クロスシートと同じものに変更されている。
 5014〜5019・5607〜5609の9両は、1993年〜1995年にかけてクロスシート部が転換クロスシートへ改造されている。なお、中央扉に最も近接しているクロスシート4脚はモケットのみの変更にとどまり、固定シートのままで存置されている。座席部と立席部の仕切もパイプのまま。
 固定クロスシートから転換クロスシートに改造された車両のクロスシート部座席には肘掛がない。

第3次車
1990〜1991年
18両(5020〜5023、5200〜5205、5504〜5509、5610〜5611)
 (↑)5022F(神戸方から5022-5023-5509-5204-5205-5611)/2003年1月/西新町
 1990年〜1991年に、2000系の廃車の代替に4連×2編成、さらに6連化のためのT-M'-Mが3ユニットと3連の第1次車の1部を4連化すべくT車1両が製造された。
 外観上は、正面赤帯下側の処理が水平から斜めになり、当初から貫通扉周りに幌枠が設置され、スカートの切り欠きが大きくなっていることが第2次車からの大きな変化である。
 車内では、クロスシートが転換クロスシートに変更されており、併せてロングシート・クロスシート部ともにモケットが変更されている。
 なお、5505は側面行先表示器がLED式に改造されている。

 制動方式は全車が電気指令式のHRDA-1、主電動機はM'c車とM'車に125kWのMB3020(歯車比82:15)を4基、制御装置はM車に1C8MでDC-DCコンバータを使用した回生制動付界磁添加励磁方式のKMC-301、パンタグラフはM車にPK-55を2基(ただし5201・5203はPK-80が2基)、コンプレッサーはM'c車とTc車に12kWのHB-20を1基、補助電源はM'c車とM'車にAc120kVAのGTOインバータを1基、冷房装置は全車とも36000kcal/hのCU-71Sを1基、台車はM'c車とM車がKW-93A、T車とTc車はKW-94A。

 山側2列+海側2列の転換クロスシート。モケット柄もこのグループから変更となっており、さらにバケットタイプではなくなっている。このシートは、以降、第4次車・第5次車・5030系でも採用され、第1次車・第2次車においてはモケットの変更で採用されることとなる。
 座席部と立席部との仕切。パイプから衝立に変更されている。
 肘掛も、座席から独立したものに変更されている。
 車端部のロングシート。モケット柄が変更された以外にも、袖仕切が追加されている。

第4次車
1993年
2両(5510〜5511)
 (↑)5510/2003年7月/東二見
 1993年に、3連で残る5000系を4連化するためにT車2両が製造された。
 第3次車からの外観上の大きな変化は、側面窓の3連ユニットのうちの両端の窓が1枚固定窓化され、窓枠が黒に塗装されていることが挙げられる。
 車内では、姫路寄り山側に車椅子スペースが設置されている。

 制動方式は電気指令式のHRDA-1、冷房装置は36000kcal/hのCU-71Sを1基、台車は全車ともKW-94A。


第5次車
1995年
6両(5206〜5211)
 (↑)(神戸方から)5206-5207/2003年7月/明石
 1995年に、4連の5000系を6連化するためにM'-Mユニット3組6両が製造された。
 外観上は第4次車から大きく変化しており、窓枠の黒色塗装が施工されず、側面窓の3連ユニットのうちの真中が幅広の1枚固定窓になっている。
 車内では、室内カーテンがフリーストップ式のものに変更されている。

 制動方式は全車が電気指令式のHRDA-1、主電動機はM'車に125kWのMB3020(歯車比82:15)を4基、制御装置はM車に1C8MでDC-DCコンバータを使用した回生制動付界磁添加励磁方式のKMC-301、パンタグラフはM車にPK-55を2基(ただし5207はPK-80が2基)、補助電源はM'車にAc120kVAのGTOインバータを1基、冷房装置は全車とも36000kcal/hのCU-71Sを1基、台車は全車ともKW-93A。